2016年6月バンコク-チェンマイ間で乗車したJR西日本からの譲渡車両(ブルートレイン)の乗車記録です。
注)この車両は現在運用が終了しています。
Contents
乗車までの準備と切符の手配
元々のプランではマレーシアから鉄道でバンコク入りし、バンコク滞在後にバスでカンボジアへ行く行程を取る予定だったのですが、タイの鉄道について調べている間にバンコク・チェンマイ間に元JR西日本のブルートレインが走っていると知りチェンマイ行きを決めました。
この車両は残念ながら私が乗車した半年弱後に運用が終了したらしく、現在は中国製の新型車両が導入されています…。
情報は2016年6月現在のものですので、「こんな列車があった」という乗車記録としてお読みください。また、車両についての知識もありませんのでその辺もご容赦くださいませ。
簡単に事前の準備を振り返ると
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手配方法
2016年6月当時タイ国鉄ではインターネットによる予約はできませんでした。
しかしながら、バンコク・チェンマイ間の寝台列車はバックパッカーの人気が高く特に一等個室は取りにくいと聞いていたので、インターネットで代行手配をしてもらえる12goAsiaという現地の旅行会社に1か月半前くらいに申し込みました。
こちらの会社のウェブサイトは日本語対応(若干?と思うところもありますが)なので見やすいと思います。メールと現地オフィスでのやり取りは英語です。
インターネットから希望の列車とクラスを選んで申し込むと、フアランポーン駅の向かいにある現地オフィスのスタッフが駅に切符を買いに行きピックアップするまでキープしてくれるんです。 レスポンスも早くて助かりました。
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料金
一等個室でエージェントへの手数料合わせてTHB2420=¥8194(2018.2.7為替計算app基準 12goのウェブサイトでオンライン予約の際にクレジットで支払い)
券面にはTHB1953= ¥6613 とあります。¥1581がエージェントの手数料ってことですね。
バンコク到着前にJR車両の寝台を確実に押さえてもらって、駅前のお店でピックアップするだけと考えればどうしても乗りたかった私には高い手数料ではないです。
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時刻
バンコク 19:35発 チェンマイ 翌8:40着
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当日乗車までの準備
こちらが駅です。
日本語ではバンコク中央駅?
券面にはバンコクとありますが、「フアランポーン駅」「クルンテープ駅」とも言われます。
ドーム型のクラシカルな駅。外観も、そして後で写真を載せますがホームもとっても美しいのです。
残念ながら数年以内には長距離列車の発着駅としての役目をお隣のバンスー駅に移すそうで、もうちょっとでお別れになる予定なんです。カナシイ。
ーここからは若干余談ー
19:35発ですがおなかも空いていたので駅前のホテルから荷物をピックアップする前に軽く食べることにしました。
駅前の東側に屋台が集まっています。
近くに欧米パッカーもいるオサレっぽいカフェもありますが…。
バンコク離れる前にローカルなところで食べたいじゃない。
『深夜特急』の主人公が出発前に飯を食べたのもこの辺なんだろうか。
メニューくれたはいいけど、中国語とタイ語なので写真と漢字でどんな食べものか想像。
テーブルはこんな風に道路にせり出してます。
タイ国鉄は列車内へのアルコール持ち込みは禁止。車内での販売もないので、出発のカンパイはこちらでしておこう。
美味しかったです♪
ファランポーン駅の中にも食堂はありますが、「駅舎を眺めながら」ってのもいいですよ。
そこへ、焼き鳥屋台のおばあちゃんが登場。
駅をバックに、せっせせっせと焼いていますよ。
常連っぽいお客さんが買って行きました。
なんかいい光景だな~。どれ、私も一つなんか頂こう。
どれがなんだかわからないけど、美味しそうなの指さして「コレ」って注文してみました。
美味しかったよ、おばあちゃん。駅の改築までにまた来るね!
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ファランポーン駅
バンコク中央駅(ファランポーン駅・クルンテープ駅)には出発45分前くらいに着きました。
3番線、既にチェンマイ行きが入線してます!
このファランポーン駅、上野駅のような頭端式ホームでドーム型の美しい駅なんです。
また、日本ではほとんどなさそうな低床式で、列車が停車していないところは線路を人が横切ります(笑)
もう列車内にも入れるようになっていたので、バックパックを自分の個室に置いてホームと列車を偵察しました。
頑張って列車の先頭車両まで行ってみました。
ディーゼル、カッコイイです!!
こんなことしてるの私くらい…。( ^ω^)・・・
さすが仏教国、タイ。古めかしいプラットホームにはお坊さんの姿もあります。
なんか感動です。
こちらも日本ではほとんど見ることがなくなってしまった食堂車。
さっきもご飯食べましたが、後で行ってみようと思います。
自分の車両の方まで戻って来ました。
ずっとこのホームに立って列車の発着を見ていたい。そんな素敵な駅です。
自撮りもし放題ですよ。
セルフィースティックは、マレーシアの駅ホームでは使用が禁止されていましたがタイは大丈夫そうでした。
乗務員の点呼が始まりました。
チェンマイまでよろしくお願いしますね!
JR西日本の譲渡車両を探検しながらノスタルジックな気分になる
旅情たっぷりのフアランポーン駅(クルンテープ駅)から出発します。
低床式ホームの為、乗り込むときは「よいしょ!」とステップをのぼります。
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一等寝台
私の席は一等寝台。個室です。
通路はこんな感じ。
7番のお部屋でした。
ドアにはこんな風にJR時代のカードキーシステムの名残がありますが、もう使えません。
鍵は内側からはかけられますので寝る時など安心でした。食堂車やトイレに行く際は、念のため置いていくバックパックにはロックをして貴重品は身に着けて。
座席です。
出発後しばらくすると係の人がベッドメイクしてくれます。
このベッド横の照明は現役でした。
JR西日本の文字!
この個室には、デスクと
洗面台とコンセントもついているんです。
とっても快適な個室でした。
もう一度乗りたいと思っていたので、現役引退は本当に残念です。
列車はゆっくりゆっくりフアランポーン駅を出発。
ガタン、ゴトンと音を立てるのがたまらんです。
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二等寝台
お隣の二等寝台の車両も見学に行ってみました。
ここの写真はまだ出発前に駅で停車中に撮りに行きました。
下段は広々ですが、上段は狭いし上るの大変そうです。
私が小さい頃は日本でも寝台列車が沢山あって、ちょっと憧れでした。
でも自分で旅ができるようになった頃には、高くても早く行くなら新幹線。夜間に移動したければ夜行バスの方が安いし、時間をかけても安く行きたいなら18きっぷがあって、なかなか寝台列車に乗ろうと思うことがなくなっちゃったんですね。
気が付いたら、ほとんどの寝台列車が廃止になってしまいました。
一度でも乗っていたら、この風景ももっと刺さるものだったかな…って思います。
それでも、この栓抜きマーク!
「そういえば、こんなの昔はあった!!」
遠い記憶の中の、たまに乗る田舎の列車のボックスシートには、このセンヌキとパコっと蓋を開けるステンレスの灰皿がありました…。
日本語の禁煙マークも残っていましたよ。
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個室での食事(デリバリー)
この列車は19:35発、翌8:30到着という長い乗車時間になるので、夕・朝と車内で食事することにしました。
食堂車で食事をとる他にも、係に頼むと個室までデリバリーしてくれます。
そうそう、まずは乗車早々係のお兄さんがオレンジジュースとフルーツを持って「どうぞ~」ってやってきました。
「いらないかな…」というと、鳩が豆鉄砲を食ったような顔で驚いてたので「あれ?一等寝台のサービスなのか?」とフルーツ盛をもらったんですが、後で伝票見たらコレは課金されてました(笑)
それから夕食と翌日の朝食のオーダーも聞かれたのですが、夕食は食堂車に行くことにして朝食だけ個室で、お粥をお願いしました。
美味しそうに見えないけど、結構美味しかったです。
しかしオレンジジュースのチープな色と味、そして容器までもが、小さい頃に苦手だった耳鼻科で出る小児用シロップに似ていてちょっとテンションが落ちました…。
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食堂車
夕食は食堂車にて。
この人たちみんなスタッフです(笑)
二等寝台には欧米パッカーがいっぱいいたので食堂車も混んでたりして?と思ったけど、ガラガラ。お酒飲めないしね…。
座席はこんな感じ。
ハジャイからバンコクまでの寝台列車でも食堂車に行きましたが、花瓶(増加だけど)とかプレイスマットはなかったのに。さすが人気のバンコク・チェンマイ線。
食堂車は窓開けっぱなし。
オーダーしたのは牛肉の炒めたやつのセットだったと思います。
ごはんをハート型で出すのは、タイではよく見かけました。
それと、グリーンカレーにスープ、フルーツもついて結構なボリューム。美味しかったです。
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車内いろいろ(JR時代の名残)
最後に車内を探検して見つけたJR西日本時代の名残、日本語の数々をランダムに貼っていきます。
何に使うものなのかetcわからないものは、説明はできなくてゴメンナサイ。
洗面台は水のみです。
日本語では熱湯になってますが。
重要なSTART/STOPは英語のシールが貼ってあります。
「冷暖房配電盤」
「自動/手動」
「水量計」
「母線」
インターフォン
「非常用」
扉には「自動ドア」
よ~く見ると「業務用室」とあります。
「おす」は残したまま、タイ語と英語が追加されています。
ちなみにトイレは洋式で、東南アジア式のビデがついていました。
シャワー、使う人いるのかなぁ?
まとめ
以上で、バンコク-チェンマイの元JR西日本ブルートレインの乗車記録は終了。
ネットで旅行記を見ていると、私のようにこれが乗りたくてバンコク-チェンマイ間を旅する人も多かったみたいですし、まだまだ現役でいけそうだったので運用終了はとても残念です。
この列車に乗った翌年日本での初寝台となるサンライズ出雲に乗ったのですが、さすが日本で現役で走っている寝台列車だけあって超快適で綺麗でした。でもこの元ブルートレインにタイで乗る前に一度でも日本で古いタイプの寝台に乗っていたらまた感動も違っただろうなぁなんて思いました。